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| 図1 屋久島の位置 | 図2 屋久島の衛星画像 |
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a. 北から |
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b. 西から |
![]() 図3 屋久島のLANDSAT−5/TM |
c. 東から |
d. 南から |
図3は同じデータの可視光の3原色(青・緑・赤)を用いたもので、数値標高データ と組み合わせて東西南北の上空から見たをa,b,c,dに示す。どれもクリックし て大きく出来る。
屋久島の基盤は、中世代末期から新生代初期の堆積岩である四万十層群で、北西部を除く海岸部を形成している。山岳部は、基盤岩に貫入してきた花崗岩体で形成されている。しかし、全島がほとんど緑で覆われているため、太陽放射に対する植物の近赤外線の強い反射
を利用して、近赤外バンドの濃淡画像に見られる陰影から地形学的検討、特にリニア
メントや断層構造を見るのに適している。
図4は,LANDSAT-5 TM Band4(0.76〜0.90μm)のモノクロ画像である。この画像で
は、ほぼ東西の方向と、およそ南西-北東の方向に斜交する多数のリニアメント(線
状地形)が平行にあるのが明瞭に認められる。さらに、北西-南東方向にも目立たな
いがリニアメントを読みとることが出来る。多くの谷はこれらのリニアメントに沿う
ようにジグザグしている。
これは、島全体が一つの塊としてゆっくり冷却して出来たためで、花崗岩としての特
徴が山岳部全体の地形に現れたものである。近赤外画像では、衛星観測時の日射の違
いによって陰影が異なるため、衛星の種類と観測時期によってリニアメントの現れ方
が異なる。
図5に示す千尋滝のように,多くの谷で花崗岩の一枚岩を見ることができる。また,
標高が高いところでは,図6-1,6-2のように、いろいろな形に風化した花崗岩が露出している。近づいて見
ると、その表面には白い正長石の巨晶が見られる。
図4. モノクロ画像と、その立体表示
(一般に縦方向を1.5倍強調)である。どれも
クリックして大きく出来る)
図5.千尋滝
図6-1 山頂付近のパノラマ
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図6-2 山腹のパノラマと花崗岩
図7 屋久島の熱画像
(Landsat-5/TM BAND6)
図7は温度の高い所を明るく、低い所を暗く表した1993年3月5日午前10時過ぎの熱画像(地表面の温度分布)である。日光を浴びた南東斜面が暑く、日陰の北西斜面は 寒いことが分かる。 また、海に流れ込む川の水が冷たいことも読みとれる。
クイズ:冷たい川の水が、暖かい海水の表面に漂うので、衛星から観測できるのです が、 なぜでしょう?[答はこのページの最後に]
屋久島全体を見ると、海岸付近の植物のない裸地の温度が最も高く、中央の山岳部で 標高が高くなるほど寒くなる傾向があることが分かる。温度と標高との関係は、日射 のない夜間の熱画像では一層明瞭である。
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a. |
b |
c |
d. |
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図8 屋久島の熱環境についての画像. |
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図8-aは1995年3月7日午後9時半頃の屋久島の温度分布を、色分けしたものである。
陸地が冷え込むのに比べて、あまり変わらない海の温度が最も暖かい。標高が上がるにつれて寒くなるのは、熱画像を標高により立体化した図(図8-b)
や、それを横から見た図(図8-c)で良く分かる。
また、温度分布だけを簡単に高さに 換算した図(図8-d)でも、地形の特徴が表される。
なお、ここでの温度は熱赤外線の強さを人工衛星からTM6バンドで観測して地表面温
度に換算したもので、地表面の性質や大気の吸収の影響を被っている。本当の温度は
観測値より数度C高いと推測される。
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| 図9.大規模な雲列のNOAA画像 (左:1988.4.15, 中:1992.11.7, 右:最近) |
図10.1992年4月17日のノア画像 |
人工衛星からの可視域・赤外域による地表のリモートセンシングでは、雲に覆われな
いことが必要である。ひと月に35日も雨が降ると云われる屋久島の気象条件は厳し
く、チャンスは限られる。
気象統計では、屋久島は年間を通しての降水量や日降水量
の日数で全国一にランクされることも多い。
実は、これは北東の海岸部の屋久島空
港そばにある屋久島測候所(上屋久町小瀬田)の地点におけるデータであり、島の大
半を占める山岳地帯ではこれよりはるかに雲に覆われ雨量も多く、小杉谷や花の江河
では年間 8000mmを越える記録がある。雨量や天候は地形の影響を受けやすく、海抜
1900m以上の山岳部をかかえる屋久島ではそれが特に著しい。日本全域を含む東西
3000kmの広い視野で毎日観測を行っている気象衛星NOAAデータを調べると、屋久島測
候所の記録で快晴とされる日でも、山岳部が雲に覆われていることがしばしば見ら
れ、山岳部と海岸部の天候の大きな違いを示している。
また、韓国の済州島とともに、屋久島は海上に浮かぶ2000m近い山岳島のため、強風
の時には大気の流れに強い影響を与える。その結果、笠雲や吊し雲のような地形性と
ともに、下流にカルマン渦列雲などの大規模な雲列をつくるのが気象衛星NOAAの画像にも見られる。このような雲列を図9に示す。
図10は、九州から沖縄にかけて珍しく晴れたシーンである。
図11は、屋久島の風下の上空に見られたU字を倒したような馬蹄形の吊し雲である。
図11.吊し雲(安房港から)
LANDSATデータは米国政府所有で、宇宙開発事業団により受信処理提供された。
NOAA/AVHRRデータの受信・データ提供機関については「H.
気象衛星NOAAがとらえた 九州の火山噴煙」に記す。
立体表示の作成に当たっては、建設省国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地
図50mメッシュ(標高)のデータを使用したものである。(承認番号 平12総使、第116
号)
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[1]
佐藤宗治・宮里満・石黒悦爾・吉田茂二郎・矢野利明・小山隆行・木下紀正、
リモートセンシングによる屋久島の森林・土地利用区分のシステム化に関する研究、
鹿大南西地域研究資料センター報告特別号5,pp.41-51,1994.
[2]戸越浩嗣・木下紀正・冨岡乃夫也,
数値標高モデルとリモートセンシングデータを用いた教育用3D画像表示システムの開発,
日本リモートセンシング学会第27回学術講演会論文集, 273-274
,1999
[3] 田中總太郎・三島征一・小牧勇蔵、「屋久島森林環境保全のための画像地図」
の試作、RESTEC、36, 18-21, 1994;屋久島森林環境保全のための衛星画像地
図について、日本リモートセンシング学会 第19回学術講演会論文集,191-192,
1995.
[4] 山口靖・長谷紘和,多様な画像によるリニアメント頻度の解析−レーダー画像
の屋久島地域への適用例について、写真測量と リモートセンシング,22-3,
4-13, 1983,
木下紀正,久保秀一郎、山岳画像データに対する簡易で効果的な地形効果補正法、日
本リモートセンシング学会 第16回学術講演会論文集,57-60,
1994.